SSブログ

1080i/フルスペックって何? [HDMI iLINK 研究]


薄型TVやハンディカムのカタログを眺めていると、
フル~、1080とかの用語や数字が目立ちます。

「フルスペックハイビジョン」
「フルハイビジョン」
「1080ALIS 」
「FullHD1080」
etc・・・

きれいなハイビジョン、
それほどでもないハイビジョン、
同じハイビジョンでも、
なんだか違いがあるようなムードが漂います。

さて、
あなたは本当に違いがわかっているのでしょうか?
メーカーのカタログ表記のマジックに踊らされていませんか?

これから簡単なクイズで、
理解度を調べてみてはいかがでしょうか?


問題:
あきら君は大画面薄型TVを探していました。
「ハイビジョンのデジタル放送視聴には、1980×1080の解像度パネルが必修!」
そんなデジモノ雑誌の特集記事に、
あきら君はすっかり影響されました。

そして週末、憧れのハイビジョンワールドを実現するために、
家電量販店を回ってみました。
ところが、TV売り場にはたくさんの薄型TVがゾロゾロ並んでいて、
どれにしたらいいのかさっぱりわかりません。

「1980×1080の解像度のTVを探しています」
勇気を出していろいろな店員さんに訊ねたところ、
こんな返答がありました。

店員A:
BSや地上デジタル放送のハイビジョンの放送信号は、
全て1980×1080で送られてきています。
ところが受けての薄型TVでは、
これまで1368×780の液晶パネルを使っているモデルも多く、
全ての情報を表示できませんでした。

シャープの最新モデルなら、
亀山フルスペックハイビジョン液晶パネル搭載、
ハイビジョンをありのままに楽しめます。






店員B:
Panasonic、パイオニア、日立、
最近はプラズマ各社もフルスペックモデルを続々投入しています。

65型なら、Panasonicの 65PX500
フルHDプラズマパネルならではの、高精細な美しさを楽しめます。
★65PX500 最新の楽天最安値★

50型なら、パイオニアのPDP-5000EX
6月上旬に登場予定のモニタータイプ、PS3の1080pにも対応します。

42型なら、日立のW42P-HR9000です。
★W42P-HR9000 最新の楽天最安値★

世界最高解像度の1080ALISパネル採用、
ハイビジョン映像そのままの美しさで楽しめて、
ハイビジョン録画もできますよ。



店員C:
フルHDモデルなら、
シャープだけでなくソニーにもあります。
「フルスペックハイビジョンパネル」のBRAVIA Xシリーズがお奨めです。

最新のソニー製ハンディカムHDR-HC3なら「フルHD1080」、
1980×1080でのハイビジョン撮影も楽しめます。





店員D:
BRAVIAのV2000シリーズはいかがですか?
32V、40V、46V、全てのサイズにおいてフルスペックパネルは搭載していませんが、
ライブクリエーション搭載です。
画素数だけが映像の美しさを決めるのではありません。





さてさて、
ここで質問です。

あきら君は、
「全ての技術説明が正しい」店員さんから、購入するつもりです。
いったい誰から購入したのでしょうか?



解答編

解答は、店員Dからでした。

では店員A、B、Cの技術説明は、
いったいどこが間違っていたのでしょうか?

店員A
ハイビジョンの放送信号は、全て1980×1080で送られている
この部分が誤りでしたね。

下の記事にも、このあたりの事情が掲載されています↓
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0508/31/news065_4.html

メーカーのカタログの中にも、
ハイビジョン放送信号は全て1980×1080だと
錯覚してしまうような記載があります。

実際には、地上デジタルの1440×1080を
1920×1080のフルスペックパネルで表示する場合には、
表示するのに足りない部分(2073600-1555200=518400画素)を
TV側で補正(補完)して表示しているのです。

1980×1080=2073600画素
1440×1080=1555200画素
からの計算です。

言い換えると、
1980×1080のパネルなら、
全てのデジタル放送をそのまま表示できるわけではないのでした。
(1980×1080の放送信号は、もちろんそのまま表示できますが・・・)





店員B
日立のWOOO9000シリーズの1080ALISパネルは、
フルスペックハイビジョンパネル(1980×1080画素)ではありません。

1080ALISパネルの表示画素数は、
1024×1080(水平×垂直)です。

垂直側はたしかに1080ですが、
水平側の解像度は1024、フルスペックの1980ではないのです。

フルスペックの数字ではない水平側の1024には一切触れず、
1080の数字だけから→フルスペックパネル=上級
を連想させる心理マジックでしょうか?







店員C

HDR-HC3なら「フルHD1080」、1980×1080でのハイビジョン撮影、
この「1980×1080」部分が誤りです。

ここでは、規格の異なる2つの1080という数字を、
まるで同一規格のそれのように扱っています。

ここでも、
1080の数字から→フルスペックパネル=上級 
と連想させる心理テクニックを感じます。

この[Full HD 1080」が曲者ですね。

BRAVIA Xシリーズの「フルスペックハイビジョンパネル」は、
確かにパネル解像度が1980×1080です。

しかしHDR-HC3で使われているHDV規格では、
画素数(水平×垂直) が 1440×1080です。
垂直部分は1080と同じ数字なのですが、
水平部分については1980と1440、明らかに違います。

HDV規格については↓
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press_Archive/200307/03-0704/

カタログでは、垂直方向の数値である1080の手前に
「FullHD」をつけることで、
「フルではないHDの何か」も存在するという錯覚が生まれてきます。
その結果、フルとつくHC3の優位性を無意識に感じてしまう
心理的効果が働いているわけです。

フル~ といえば、フル装備、フル仕様、など
全てが充実して揃っているようなイメージが漂うのです。
このフル~ がTV側のフルスペックパネルとの混同を導きます。
HC3では1980×1080のハイビジョン撮影ができると、
錯覚してしまいそうですね。

Xシリーズが「フルHD1080」なのは、
なんとなく理解できます。

しかし、
HDR-HC3の「フルHD1080」については、何がフルなのか、
正直なところよくわかりません。
某掲示板でも取り上げられていましたね。

店員Dさんのお奨めしたV2000シリーズについては、
ここでも詳しく取り上げています。↓
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/2006-04-13





技術説明の部分などは、
勘違いや誤解をしている可能性もややあります。
疑問点や最新情報は、メーカーに直接ご確認くださいね。

bn_2006su_01


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。