SonicStage ○と× 2006年夏 [VAIO研究]
今回は、ソニーを代表する統合音楽ソフト、
SonicStageを見ていきましょう。
「SonicStage」(ソニック・ステージ)は、
音楽データの取り込みから編集、保存、転送までを
一括管理できるソフトウェアです。
前身は「OpenMG Jukebox」、
ソニー独自の著作権機能の名前を冠した
アプリケーションがベースになっているわけです。
OpenMG Jukebox
SonicStageに名前が変わり、
インターフェイスも何度か変更されました。
Ver1
Ver1.5
Ver2
そして2006年夏現在の最新版は4.0、
ウォークマン用の「CONNECT Player」と統合されて、
その名も「SonicStage CP」です。
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まずは○の部分です。
とにかく多機能です。
細かなバージョンアップで様々な形式のファイルにも対応しています。
Moraで楽曲を購入するために、
以前は「MAGIQLIP」「MAGIQLIP2」などの別ソフトが必要でしたが、
現在ではSonicStage上で、
購入からダウンロード、曲管理まで一元化されています。
Ver3.4
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次に△と×の部分に触れましょう。
正直なところ、
このSonicStage、なんだか扱いにくい、わかりにくいソフトです。
もちろん、
普通に曲を再生したり、
音楽CDから取り込みしたり、
MORAから購入してDLするのは
何の問題なくできるのですが・・・
もう少し進んで、
あのアルバムとこのアルバムだけ聞きたい、とか
このジャンルだけリピートしたい、
などの操作がいまひとつ、
よくわからないのです。
ヘルプできちんと確認すれば
対処法があるのかもしれないのですが、
なんだか用語が複雑です。
音楽の携帯端末を普段持たない
我が家には正直なところ、
専門用語やコンセプトを理解するのが難しいのです。
このあたりのわかりにくさは、
やっぱりSonicStageの生い立ちから
きているのでしょうか?
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ここで少し、たとえ話です。
SonicStageを一言でいえば、
増改築を繰り返した家のような気がするのです。
新築当時、とにかく重要視されたのが防犯面(著作権保護)です。
防犯を重視するあまり、窓は小さく格子がきっちりと付けられ、
ドアも重くて重厚、最新のセキュリティキーも付けられました。
防犯面だけを考慮して設計されたため、間取りや設備は二の次です。
このセキュリティ、防犯面では一流でしたが、
なんだか扱いにくいものでした。
自分の家に入るのにも、ホテルのような
チェックイン、チェックアウトを出入りごとに
毎回、行う必要があるのです。
インターネットからの楽曲ダウンロードが始まりました。
「マジクリップ」というプレハブ小屋を隣に立て、
ダウンロードはそちらで、
取り込み後はSonicStageで、
という変則な2軒体制が始まりました。
この2軒体制では、あたりまえですが使い勝手が良くありません。
どうにか1軒の家の中で生活できないか、と考えて
SonicStageが「マジクリップ」を吸収する形の
大規模リフォームが行われることになりました。
世間ではそのころ、
住みやすい家が流行します。
防犯面よりも、
広く明かりが入る窓、大きく軽快なドア、
すみやすい間取りを強調した自由な家です。
無料でダウンロードできて、
使い勝手もすぐれた「iTunes」という自由なりんごの家に、
多くの人が住みはじめていたのです。
http://www.apple.com/jp/itunes/
ここでソニーは、起死回生のギャンブルにでます。
SonicStageを立て替えたり、更なるリフォームをするのではなく、
ウオークマンを利用する人のために
「CONNECT Player」という
豪華な別宅を建設したのです。
ところがこの鳴り物入りで登場した「CONNECT Player」、
正直なところ、最初は欠陥住宅と言われかねないような
仕上がりだったようです。
CONNECT Playerにデータのバックアップ機能がないことは致命的でした。
Moraなどインターネットからダウンロードした曲は、
SonicStageのバックアップ機能を利用しないとバックアップできないのです。
大きく豪華な家なのにどこにもお風呂がついていなくて、
お風呂に入るには、隣の旧家にいかなくてはいけないような、
そんなイメージでしょうか?
せっかく別宅を新築しても、
別宅だけでは、まともな生活が送れないのです。
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「CONNECT Player」のつまずきの詳細は、
下記記事を読むとよくわかります。
第213回:ウォークマンA用ソフト「CONNECT Player」をテスト
~ Losslessには対応せず。改良版に期待? ~
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20051121/dal213.htm
ウォークマンの挑戦。第二章
CONNECT Playerが提示する未来は?
ソニー 「NW-A1000」
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20051125/dev137.htm
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ブログや掲示板ですっかり評判を落としてしまった
「CONNECT Player」でした。
ここでソニーは、更なる冒険にでました。
新築したばかりの「CONNECT Player」を、
旧宅のSonicStageと合体させるという大リフォームです!
「SonicStage CP」という
1軒の大邸宅にしてしまったのです。
「迷走」
これが正直なところ、
我が家がSonicStageの歴史に抱くイメージなのです。
なんとなく理解いただけたでしょうか?
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さて、特に×だと感じるところが2点あります。
1つ目は
曲データのバックアップの面倒なところです。
SonicStage バックアップツールを使い、
インターネットに接続などの作業が必要なのです。
このバックアップ、
一括保存にしか対応していないのです。
たとえばMORAで購入した曲だけバックアップ、
それ以外はCDがあるからバックアップは必要ないなあ、
と思っていても・・・
楽曲やアルバムを任意に選択したりはできません。
とにかく全部、まとめてバックアップです。
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DVDにSonicStageデータをバックアップ ↓
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/164
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これは正直なところ、
どうにもこうにも不便です。
2つ目は、前述した何度もの修正(リフォーム)の影響もあり、
操作や用語がわかりにくいことです。
特に、SonicStage Ver.3.0 以降では、
以前のバージョンの SonicStage と比べて、
取り込んだ曲の管理方法や使われる用語などが
大幅に変更されました。
例:
「Music Drive」→「マイ ライブラリ」
「プレイリスト」→「アルバム 」
「インポート」→「音楽ファイルを取り込む」
曲を機器・メディアへ転送することを、「チェックアウト」
チェックアウトした曲を SonicStage に戻すことを「チェックイン」
「チェックイン/チェックアウト」と「曲の移動」をまとめて、「曲の転送」
「チェックイン」の操作を特に示すときは、「曲をマイ ライブラリに戻す」
「曲の移動」操作を特に示すときは、「曲をマイ ライブラリに取り込む」
→
「曲の移動」
このあたりの扱いにくさが我が家ではトドメになり、
SonicStageはどうにも
扱いにくいソフトになってしまったのです・・・
参考ページ:
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060529/dal237.htm
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200509/05-0908/
http://www.sony.jp/support/p-audio/contents/download/ss34_dl_01.html
http://www.vaio.sony.co.jp/Products/Software_04q2/SonicStage/index.html
http://www.sony.jp/ProductsPark/Consumer/PCOM/Software/OpenMG/index.html
http://www.sony.jp/products/Consumer/PCOM/Software_01q3/SonicStage/index.html
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