i.LINKとハイビジョン [HDMI iLINK 研究]
今回は、i.LINKとハイビジョンについての考察です。
HDMI端子の流行で、
すっかり影が薄くなってしまったi.LINK端子です。
もともと、デジタル化された映像・音声データを、
デジタルのまま劣化せずに
他の機器へ送るためのものでした。
i.LINKでは規格上、
コピー・プロテクション(不正コピー防止)技術を、
各i.LINK 対応機器が持ち、
デジタル映像や音声を、著作権保護しながらやり取りできます。
それなら新しいHDMI端子でなくても、
ある程度すでに普及していたi.LINKで
ハイビジョンデータのやり取りはしないのかなあ?
と、素人考えしてみたのですが・・・
i.LINKの現実としては、互換性の壁が大きく横たわっているようです。
ではまずソニー製品での、
i.LINK端子とハイビジョンについて見ていきましょう。
とてもわかりやすい接続対応表を、ソニーで掲載しています。
http://www.sony.jp/products/i-link/index.html
この対応表をもとにして、
ハイビジョン関連をピックアップしていきますね。
-------------『HDVハンディカムとTVのi.LINK接続』-------------
http://www.sony.jp/products/i-link/chart/1_cam_wega.html
この対応表を見て不思議に思うのは、
ほとんどのBRAVIAではi.LINK搭載が見送られていることです。
現行のBRAVIA では、KDL-46/40X1000だけが搭載しています。
これでは、
HDVハンディカム(HDR-HC1など)のハイビジョン画質を、
BRAVIA のS・V・E・S2000シリーズで楽しもうと考えたとき・・・
ハンディカム付属の
「D端子コード」と「赤白黄の映像音声コード」、
2本を利用しての接続に、強制的に決定です。
TV側のD端子は、
たいてい背面の手の届かないところに位置しています。
「早送り」や「一時停止」のちょっとした操作も、
ハンディカムの液晶パネルまで出向いて操作しなくてはいけません。
これはなんだか、とっても不便です。
『ハイビジョン』がソニーの未来への道しるべなのです。
どうして接続機器の操作もできるi.LINKを活用しないのか、
正直なところ不思議です。
(補足:HDR-HC3はHDMI出力端子が搭載されました)
-------------------------------------------------------
---------『HDVハンディカムとDVDレコーダーのi.LINK接続』--------
http://www.sony.jp/products/i-link/chart/2_cam_rec.html
HDVハンディカム(HDR-HC1など)と、
ハイビジョン画質(HDV1080i方式)で
i.LINK接続できる現行DVDレコーダーは、
RDZ-D90/D70の2機種です。
i.LINK端子がないBRAVIA 、
S・V・E・S2000シリーズを所有の方でも、
RDZ-D90/D70を利用すれば
レコーダー側のリモコンから楽々のオンスクリーン操作が可能になります。
(もちろんハイビジョン画質の録画もできます)
余談ですが、
我が家ではDCR-IP1Kで録画した愛娘を、
HVXのリモコンを使いオンスクリーン操作で視聴しています。
オンスクリーンはやっぱり便利、知ってしまうと戻れません。
------------------------------------------------------
------------『DVDレコーダーとTVのi.LINK接続』---------------
http://www.sony.jp/products/i-link/chart/5_wega_rec.html
以前のWEGAラインアップの多くに、
i.LINKが搭載されていました。
現行のBRAVIAでは、
最上位のXシリーズだけです。
先日発表されたS2000シリーズも、
HDMI端子は搭載、i.LINK端子はありません。
TVサイドのi.LINK端子の地位が、
なんとかくわかります。
スゴ録やPSXなどの全てのDVDレコーダーとTVは、
i.LINK端子では接続できません。
ハイビジョンスゴ録のRDZ-D90/D70/D50/D5も、
TVとi.LINK端子で接続できません。
では何と接続できるの?
という話です。
デジタルレコーディングハードディスクドライブ
VRP-T1/T3/T5が、
i.LINK接続してハイビジョン録画できます。
また他社製のため、
ソニーの接続対応表には掲載がありませんが、
純正品と同等の機能・操作性、更にリーズナブルな価格の
I/Oデータ製HDDレコーダーもあります。
このあたりの詳細は、以下の記事をご参照くださいね。
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/2006-1-10-1
TV側のデジタルチューナーとi.LINK端子を利用して
外部のHDDレコーダーにハイビジョン録画する機能は、
シャープや松下でも搭載しています。
I/Oデータの接続対応表:
http://www.iodata.jp/pio/prod/multimedia/hvr-hdf/
------------------------------------------------------
さて次は、
いよいよVAIOとのi.LINK接続です。
----------------『TVとVAIOのi.LINK接続』-------------------
http://www.sony.jp/products/i-link/chart/3_wega_vaio.html
接続できるVAIOは、
2005年6月以前に発売されたデジタル放送録画対応モデル
(Type X, Type Rの一部 )
との記載があります。
もう少し、具体的に調べてみました。
VGC-RA71P,VGC-RA71PS (※1),VGC-RA71S (※1),VGC-RA61
VGC-RA72P,VGC-RA72PS (※1),VGC-RA72S (※1),VGC-RA62
VGC-RA73P,VGC-RA73PS (※2),VGC-RA73S (※2)
※1 購入時にテレビ (TV) 機能を選択した場合
※2 購入時に i.LINK S400 (TS) 端子を選択した場合
VGX-X*0 シリーズ
これはVAIOのHDDを、
VRP-T1/T3/T5や、I/OデータのHVR-HD250Fと同様に
デジタルレコーディングハードディスクドライブとして
デジタル放送録画に利用するという、
とても合理的で素晴らしいアイディアでした。
ソニーのFAQに操作方法が掲載されています。
VAIO側で操作するわけではなくて、
上記のレコーダー同様に、TVのリモコン側で操作します。
http://search.vaio.sony.co.jp/solution/S0409280018080/
このデジタル放送録画機能、
HDDの増設が容易なパソコンならば、
使い方によって実に高いコストパフォーマンスが望めます。
i.LINK端子接続のためにどうしても、
PCとTV間の距離が数mまでと、
物理的に限定されるのが欠点でした。
(ワイヤレスのi.LINKなんてありませんから・・・)
RAシリーズは普通のリビングに設置するのには、
やや厳しいデザインとサイズです。
旧TypeXはリビング設置を考慮したデザインですが、
高価すぎて手がでません。
せっかくの素晴らしく便利な機能なのですが、
このあたりの整合性に欠けていたからでしょうか?
ほとんど話題にもならず、静かに消えていきました。
リビングの中心に置けるVGX-XL70Sにこそ、
ぜひ搭載してほしかった機能なのですが・・・
何とも残念なところです。
-------------------------------------------------------
-----------『HDVハンディカムとVAIOのi.LINK接続』--------------
http://www.sony.jp/products/i-link/chart/4_cam_vaio.html
VAIOでHDVハンディカムのハイビジョン映像を取込、編集、出力できます。
さすがソニー、最先端を突っ走っていますね。
このあたりは、
我が家のブログでも詳しく紹介しています。
http://blog.so-net.ne.jp/sonyandvaiofan/2006-02-06
--------------------------------------------------------
総論:
ソニーのWEBに掲載されている「接続対応表」、
とても見やすくわかりやすいです。
この表を作成された方は、とても頭の良い方なのでしょう。
問題1:
「接続対応表」なしでは、互換性がさっぱり理解できないのです。
黄色のコンポジット端子も、S端子も、D1~D5端子も、
接続すれば映ります。
同じ形状、同じ名前の端子なら、普通は互換性があると考えます。
i.LINK端子は同じ形状にもかかわらず、
後から名付けた(TS)とか(HDV)とか、
いろいろあります。
ソニー製品同士でも使えないケースが多々あります。
これはソニーファンとして、悲しい事実です。
問題2:
i.LINK搭載の有無が、
コストとマーケッティング側の売りたい事情のバランス
だけで決まっているのかなあ?
そんなムードが漂うところです。
(現在のHDMI端子の扱いも同じムードが・・・)
このあたりの不便やわかりにくさが、
i.LINK衰退の、根本的な原因なのかもしれません。
i.LINK、
本当は便利な機能なのに、
なんだかもったいないなあ・・・・・
素人のレポートなので、勘違いもあると思います。
詳細や不明点は、メーカーに直接ご確認くださいね。
コメント 0