KDL-55HX80R どうしてそんなにキレイなの? 画質の秘密は何?
KDL-55HX80Rが到着して1週間余りが立ちました。
当初は設置やデザインからでも
順番にご紹介しようかなあと考えていたのですが。。。
KDL-55HX80Rの第一印象、電源を入れて最初に映像を見たとき
普通の地デジ番組でしたが、とにかくキレイなのに驚きました!
眩しいくらいに色鮮やか、くっきり&スムーズなのです。
まだ「ダイナミック」で出荷しているのだなあ、
なんて思いつつ設定を確認してみると、
あれあれ、「スタンダード」なのです!
「スタンダード」でもとても明るい画面、
正直なところびっくりです。
我が家ではこれまで、3年前のハイエンドモデル、
フローティングデザインのKDL-46X5000を愛用してきました。
別にX5000の画質に不満があるわけでは全くなく、
画面をもっと大きくしたいなあという単純な欲望が
買い替えの大きな動機でした。
そんな我が家でさえ、
一目で圧倒的にキレイになったことに気がつきました。
これ、本当に嬉しい驚きでした。
ソニーのカタログの序列上ではHX80Rの画質は、
スタンダードクラス、中の上くらいの位置づけでしょうか?
それが実際には、我が家的にはもう1ランク上の画質に
十分に達していると感じるのです。
どうしてだろう?となんだか猛烈に気になってきて、
いろいろと調べてみたところ、
3つのポイントが浮かんできました。
ネット媒体からの抜粋も多いのですが、
それでは順番にご紹介していきましょう。
① サムスンの新VAパネル
最近のソニーは液晶パネルの仕様や仕入先を、一般に公開していません。
が、55HX80R、46HX80R、46HX800 は、
おそらくサムスンの最新VAパネルを採用しています。
これ、東芝のCELLレグザ55X2、55XE2、46XE2、
55F1や46F1で採用されている、新世代パネルと同じパネルです。
そして、このパネルの評価がとにかく◎なのです。
----------------------------------
~レグザ画質設計担当者に尋ねたところ、秘密はどうやら46F1に用いられた新VAパネルにある事が分かってきた。今回の新パネルは、ホワイトバランス調整後、ガンマ調整後の出力ロスが少ない特性を持っているそうで、これが「見た目の明るさ」に貢献しているようなのだ。 新CELL REGZAもVAパネルが採用される予定だそうで、おそらくは、46F1と同世代の新VAパネルが使われるはず~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20101021_401098.html
~55X2では、サムスンのVA型液晶パネルを採用しているが、開口率が劇的に向上した新世代のパネルだ。画素形状が55X1とは明らかに違うので、異なるパネルという事は素人目にも分かる。ちなみに、パネルとしては、本連載でも高評価を与えたREGZA F1と同一世代だという。 表示面が光沢仕様のクリアパネルになっており、出力光が拡散されにくいことから、画素描画の鮮鋭感が素晴らしい。開口率向上により、同一色がまとまった領域を埋め尽くすような面表現でも粒状感がなく、濃密な表現になっていて質感が高い~。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20101118_407533.html
----------------------------------
HX800やHX80Rの46インチ以上で採用されているサムスンの新パネル、
実はあのCELLレグザでも使われるくらい素性が良いパネルなのです。
その画素形状ですが、たとえばこの画像でお姉さんが手に持っている
ブルーレイディスクを拡大してみるとこんな感じです。
写真をクリックして大きくしていただくと、
画素形状がなんとなくわかっていただけるかな?
ちなみにパネル供給先は、我が家の勝手な推測です。
どこかで裏が取れているわけではありません。
いっぽうVAパネルのため、暗部の沈み込みやコントラスト表現には強いのですが、
その仕様上、横から見たときの視野角が狭いのは残念ながら事実です。
KDL-46X5000では1度も感じませんでしたが、KDL-55HX80Rでは初日から、
斜め45度を越えるくらいから白っぽい画面になってしまうのを感じました。
もっともそのために左右20度のスイーベル機能があるわけです。
また普通の正面から視聴している場合には、全くストレスはありません。
それぞれの長所と短所は表裏一体なのですが、
我が家の利用環境では幸いに、弱点面をほとんど意識しなくてすみそうです。
すると画質面での長所面だけが強調されることになりました。
少し余談ですが、HX900、LX900はシャープのUV2Aパネル(たぶん)、
リブ・スリットレス工法の評判も高い新パネルです。
http://www.sharp.co.jp/aquos/technology/uv2a/
② エッジ型LED + 部分(エリア)駆動
クオリアの頃には高嶺の花だったLEDテレビが、いよいよ身近になってきました。
そしてこの55HX80RもLEDテレビです。
LEDの画質面での主メリットは、
暗部のダイナミックレンジが広く、バックライトスキャンが効果的という2点です。
もっと興味のある方は、以下抜粋もご参照くださいね。
----------------------------------
~白色LEDは、調光の安定範囲が広く、応答速度がCCFLよりも圧倒的に高速というメリットがある。~
~液晶テレビでは、表示する映像の平均輝度などをキーにしてバックライト輝度を上げ下げして動的なコントラスト制御を行なったり、暗いシーンにおける暗部表現の階調特性を最適化したり、黒浮きを抑えたりする。最大輝度を100%として、CCFLの場合は、基本原理が蛍光管なので輝度を10%程度に落とすとチラチラしだして出力光が安定しなくなってしまう。つまり、CCFLでは最低輝度を10%以下に下げられない。 一方、白色LEDは完全にオフにするところまで安定してリニアに出力光を暗くしていくことが出来る。 つまり、同一の液晶パネルを用いて比較した場合、白色LEDの方が、より黒浮きが少なく、そして暗部表現が美しい(暗部階調が的確、暗部の色ダイナミックレンジも広い)と言うことになる。 ~
~また、白色LEDの高速応答速度のメリットはバックライトスキャンの実現に効果的に効く。バックライトスキャンとは液晶パネルの内容を書き換えている箇所(ブロック、エリア)に対してバックライトを消してしまう制御のことで、疑似的にブラウン管のような短残光表示(インパルス表示)を実現して、残像を低減させる技術のことだ。白色LEDでは消灯から瞬間的に最大輝度に光らせることができるので、これを理想的に実現させることができるのだ。 ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20100408_359610.html
----------------------------------
そしてそのLEDをどう配置するかで、現在は2タイプあります。
「直下型方式」と「エッジライト方式」です。
「直下型方式」は液晶パネルの背面側から直接照らす方式で、
現ラインアップのBRAVIAでは最高画質のHX900だけが採用しています。
「エッジライト方式」は、端の光源からの光を、
導光板を用いて液晶パネルに導いて照射させる方式です。
その構造上、デザイン的に薄いTVが可能です。
現ラインアップのBRAVIAではEX700、EX710、LX900、NX800、
そしてHX800とHX80Rが採用しています。
ちなみに我が家の55HX80Rもこの通り、
これでブルーレイ一体型とはとても思えないような薄さです。
ディスプレイ厚みが、
3年前のX5000の12.1cm→HX80Rでは8.6cmなのです。
次に、映像全体をブロック単位に分けてLED発光を
コントロールする部分駆動のメリットですが、
こんな感じでしょうか?
*シーンに応じて不要な発光を抑えることで、高コントラスト比を実現
*明暗のバランスを最適な状態にし、暗いシーンでの奥行き感やディテールを美しく再現
*消費電力も抑制されて経済的
これまで部分駆動を採用してきたのは「直下型方式」ばかり、
BRAVIAならXR1やHX900、他社でも最上級モデルだけでした。
昨年くらいまで「エッジライト方式」で部分駆動を
行なうのは困難、とされてきたのです。
ところが技術の進歩はすごいのです。今年あたりから、
「エッジライト方式」でも、部分駆動を実現しているモデルが登場です。
それがBRAVIAでは、HX800とHX80Rなのです。
(あとは3D対応の最新REGZA ZG1やXE2くらいしか、我が家では思いつきません)
我が家では、よくカタログに掲載されているような画質機能は、
実はそれほど当てにしていないというか、いつも話半分、
そんなものかなあと思っている感じです。
でもこの「部分駆動」は、実際に効果的だと体感できます♪
HX80Rでの画質調整メニューで、確認してみましょう。
詳細設定の奥、ここにありました。
3段階で調整が可能です。
切:
弱:
標準:
写真ではなかなか違いがわかりにくいのですが、
実際の映像では、黒の沈み方の違いが、
素人目にもはっきり感じ取れます。
「切」と、それ以外の違いが特に顕著です。
「弱」と「標準」はさほど違いがわかりませんでした。
ちなみになぜか上位モデルのLX900には、部分駆動が採用されていません。
シャープUV2Aパネルのコントラスト性能などのポテンシャルが元々高いことや、
厳しいコスト面での制約などの判断かもしれないですね。
3 グレア(光沢/クリア)パネル
KDL-46X5000ではノングレア(光沢なし)パネルでしたが、
最近はソニーだけでなく、他社もグレア(光沢/クリア)パネルにすっかり方針転換です。
画質面を一般論から言えば、もちろんグレアパネルのほうがキレイです。
2009年のREGZAレビューからの抜粋ですが、
興味のある方はこちらでその詳細もどうぞ。
----------------------------------
~画質面でいえば、圧倒的にクリアパネルの方が優位だ。 その理由は、画素からの出力光の経路を考えれば明白。そう、液晶(画素)層から通ってきた出力光(≒出力色)がピュアな形でダイレクトに視聴者の目に届けられるためだ。また、暗色や暗部階調表現も出力光の損失が少なく目に届くため、視覚として得られる情報量のダイナミックレンジも必然的に大きくなる。
一方、ノングレアパネルの液晶層からの出力光は、ノングレアのスクリーン層を通ったときに若干、拡散してしまう。拡散反射とは全方位に光を散乱させるので画素描写をぼやけさせてしまい、出力光そのもののエネルギーが目に届く前に減退してしまう。画素描写をぼやければ、1ピクセル1ピクセルがぼけて解像感が低下する。また、出力光が拡散して減退してしまえば、コントラスト感の低下につながる。
これまで、多くの液晶テレビが、なぜ慣例的にノングレアパネルを使っていたかというと、やはり、周囲の映り込みを気にしてのことだろう。そして今回のREGZAであえてクリアパネルを搭載してきたのは、ここ数年で、そうした点よりも、液晶テレビにも絶対的な高画質表現こそが求められるようになってきたためだ。
プラズマテレビは表示面がガラスなので、最初からいわばクリアパネルだったわけで、これをとやかく言う人はいなかった。その意味では、液晶テレビが「画一的にノングレアパネルだけだった」ということの方が異常事態だったといえなくなもない。ちなみに、最近のノートPC製品で、高画質映像表示を謳うAV機能特化モデルは皆クリアパネル採用機になっている。他社製品でも、高画質を謳うモデルは徐々にクリアパネル採用機が増えてくるかもしれない。 ~
http://av.watch,impress.co.jp/docs/serie/dg/20090625_295741.html
----------------------------------
現行ラインアップのBRAVIAでは
光沢パネルは2種類あります。
HX900とLX900の「オプティコントラストパネル」
そしてHX800、HX80Rの「クリアブラックパネル」です。
上級モデルの「オプティコントラストパネル」のほうが、
全面が一枚ガラス状?で、デザイン的には洗練されています。
液晶パネルと前面ガラス板の間の新開発樹脂の挟み込みが、
画質的にもやっぱりプラスなのでしょう。
でも、HX80Rの「クリアブラックパネル」も、
グレアかノングレアか、で言えばグレアパネルです。
映像がダイレクトに届く高画質な表示、
という本質部分では全く同じなのです。
少し余談ですが、HX80Rの狭フレームデザイン、
少し前のBRAVIAの狭フレームモデルのF1やF5シリーズと
デザインテイストがよく似ているのかなあと思っていましたが、、、
実際に見てみると、その印象は大きく違います。
BRAVIAF1やF5シリーズでは画面がノングレアでしたが、
HX80Rではフレームも画面もグレア(光沢)のため、
全体的にピカピカブラック、モダンな印象なのです♪
ただしグレア(光沢/クリア)パネルの弱点として、映りこみは激しいです。
ソニーのカタログ上では、映り込み防止に効果あり?と思えるような記述もありますが、
これまでのX5000と比較してしまうと正直なところ、
我が家ではすっごい映り込み、としか思えません。
これはそんな映りこみの例。
スイーベルしてキッチン側の縦窓からの昼光が
入り込む角度で、意識的に撮影してみました。
ちなみに我が家は夜になると、プチホームシアター用の照明を使います。
カーテンを閉めて、スポットライトにすると、
何のストレスもなく、キレイな画面に没頭できます。
関連記事:
ホームシアターライティング 購入!
まとめ
さてこれまで、以下の3点を我が家が思う
HX80Rのキレイ画質のポイントしてご紹介してきました。
*サムスンの新VAパネル
*LEDエッジライトでも部分駆動
*グレアのクリアブラックパネル
ちなみに映像処理技術「ブラビアエンジン3」と
「CREAS 3」の組み合わせも大きく影響しているのかもしれませんが、
それぞれの役割分担がいまひとつわからないこともあり、
今回は触れずにパネル系の3ポイントに絞っています。
こういうスペック系の話になると、たとえば以下のように
最上位のスペックのほうがいい、なんて話になりがちですが。。。
UV2A > サムスンの新VAパネル
直下型の部分駆動 > エッジ型の部分駆動
オプティコントラストパネル > クリアブラックパネル
たとえ最上位のスペックでなくても、
念入りなチューニングや技術者の方の思い入れなのか?
それともただの偶然による幸運なのか?
とにかく全てがとてもいい方向、たぶん最高にいい形でまとまった結果、
BRAVIAのラインアップの中では中の上くらいと目されるKDL-55HX80Rを、
ワンランク上の画質に引き上げたのでは?なんて風に感じている我が家です。
このHX80R、細かい操作面や仕様では正直なところ荒削りの部分も多々ありますが、
とにかくキレイな画面が強烈!ちょっぴり感激までしてしまった我が家です。
MUSICもとてもキレイ♪
MOVIEもとてもキレイ♪
SPORTSもとてもキレイ♪
というわけで、HX80Rの我が家の第一印象は最高の★★★★★
これから愛用していくのがとても楽しみなのでした。
ありがとう、ソニー!
そして、がんばれソニー!
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普通の地デジ番組でしたが、とにかくキレイなのに驚きました!
眩しいくらいに色鮮やか、くっきり&スムーズなのです。
まだ「ダイナミック」で出荷しているのだなあ、
なんて思いつつ設定を確認してみると、
あれあれ、「スタンダード」なのです!
「スタンダード」でもとても明るい画面、
正直なところびっくりです。
我が家ではこれまで、3年前のハイエンドモデル、
フローティングデザインのKDL-46X5000を愛用してきました。
別にX5000の画質に不満があるわけでは全くなく、
画面をもっと大きくしたいなあという単純な欲望が
買い替えの大きな動機でした。
そんな我が家でさえ、
一目で圧倒的にキレイになったことに気がつきました。
これ、本当に嬉しい驚きでした。
ソニーのカタログの序列上ではHX80Rの画質は、
スタンダードクラス、中の上くらいの位置づけでしょうか?
それが実際には、我が家的にはもう1ランク上の画質に
十分に達していると感じるのです。
どうしてだろう?となんだか猛烈に気になってきて、
いろいろと調べてみたところ、
3つのポイントが浮かんできました。
ネット媒体からの抜粋も多いのですが、
それでは順番にご紹介していきましょう。
① サムスンの新VAパネル
最近のソニーは液晶パネルの仕様や仕入先を、一般に公開していません。
が、55HX80R、46HX80R、46HX800 は、
おそらくサムスンの最新VAパネルを採用しています。
これ、東芝のCELLレグザ55X2、55XE2、46XE2、
55F1や46F1で採用されている、新世代パネルと同じパネルです。
そして、このパネルの評価がとにかく◎なのです。
----------------------------------
~レグザ画質設計担当者に尋ねたところ、秘密はどうやら46F1に用いられた新VAパネルにある事が分かってきた。今回の新パネルは、ホワイトバランス調整後、ガンマ調整後の出力ロスが少ない特性を持っているそうで、これが「見た目の明るさ」に貢献しているようなのだ。 新CELL REGZAもVAパネルが採用される予定だそうで、おそらくは、46F1と同世代の新VAパネルが使われるはず~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20101021_401098.html
~55X2では、サムスンのVA型液晶パネルを採用しているが、開口率が劇的に向上した新世代のパネルだ。画素形状が55X1とは明らかに違うので、異なるパネルという事は素人目にも分かる。ちなみに、パネルとしては、本連載でも高評価を与えたREGZA F1と同一世代だという。 表示面が光沢仕様のクリアパネルになっており、出力光が拡散されにくいことから、画素描画の鮮鋭感が素晴らしい。開口率向上により、同一色がまとまった領域を埋め尽くすような面表現でも粒状感がなく、濃密な表現になっていて質感が高い~。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20101118_407533.html
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HX800やHX80Rの46インチ以上で採用されているサムスンの新パネル、
実はあのCELLレグザでも使われるくらい素性が良いパネルなのです。
その画素形状ですが、たとえばこの画像でお姉さんが手に持っている
ブルーレイディスクを拡大してみるとこんな感じです。
写真をクリックして大きくしていただくと、
画素形状がなんとなくわかっていただけるかな?
ちなみにパネル供給先は、我が家の勝手な推測です。
どこかで裏が取れているわけではありません。
いっぽうVAパネルのため、暗部の沈み込みやコントラスト表現には強いのですが、
その仕様上、横から見たときの視野角が狭いのは残念ながら事実です。
KDL-46X5000では1度も感じませんでしたが、KDL-55HX80Rでは初日から、
斜め45度を越えるくらいから白っぽい画面になってしまうのを感じました。
もっともそのために左右20度のスイーベル機能があるわけです。
また普通の正面から視聴している場合には、全くストレスはありません。
それぞれの長所と短所は表裏一体なのですが、
我が家の利用環境では幸いに、弱点面をほとんど意識しなくてすみそうです。
すると画質面での長所面だけが強調されることになりました。
少し余談ですが、HX900、LX900はシャープのUV2Aパネル(たぶん)、
リブ・スリットレス工法の評判も高い新パネルです。
http://www.sharp.co.jp/aquos/technology/uv2a/
② エッジ型LED + 部分(エリア)駆動
クオリアの頃には高嶺の花だったLEDテレビが、いよいよ身近になってきました。
そしてこの55HX80RもLEDテレビです。
LEDの画質面での主メリットは、
暗部のダイナミックレンジが広く、バックライトスキャンが効果的という2点です。
もっと興味のある方は、以下抜粋もご参照くださいね。
----------------------------------
~白色LEDは、調光の安定範囲が広く、応答速度がCCFLよりも圧倒的に高速というメリットがある。~
~液晶テレビでは、表示する映像の平均輝度などをキーにしてバックライト輝度を上げ下げして動的なコントラスト制御を行なったり、暗いシーンにおける暗部表現の階調特性を最適化したり、黒浮きを抑えたりする。最大輝度を100%として、CCFLの場合は、基本原理が蛍光管なので輝度を10%程度に落とすとチラチラしだして出力光が安定しなくなってしまう。つまり、CCFLでは最低輝度を10%以下に下げられない。 一方、白色LEDは完全にオフにするところまで安定してリニアに出力光を暗くしていくことが出来る。 つまり、同一の液晶パネルを用いて比較した場合、白色LEDの方が、より黒浮きが少なく、そして暗部表現が美しい(暗部階調が的確、暗部の色ダイナミックレンジも広い)と言うことになる。 ~
~また、白色LEDの高速応答速度のメリットはバックライトスキャンの実現に効果的に効く。バックライトスキャンとは液晶パネルの内容を書き換えている箇所(ブロック、エリア)に対してバックライトを消してしまう制御のことで、疑似的にブラウン管のような短残光表示(インパルス表示)を実現して、残像を低減させる技術のことだ。白色LEDでは消灯から瞬間的に最大輝度に光らせることができるので、これを理想的に実現させることができるのだ。 ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20100408_359610.html
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そしてそのLEDをどう配置するかで、現在は2タイプあります。
「直下型方式」と「エッジライト方式」です。
「直下型方式」は液晶パネルの背面側から直接照らす方式で、
現ラインアップのBRAVIAでは最高画質のHX900だけが採用しています。
「エッジライト方式」は、端の光源からの光を、
導光板を用いて液晶パネルに導いて照射させる方式です。
その構造上、デザイン的に薄いTVが可能です。
現ラインアップのBRAVIAではEX700、EX710、LX900、NX800、
そしてHX800とHX80Rが採用しています。
ちなみに我が家の55HX80Rもこの通り、
これでブルーレイ一体型とはとても思えないような薄さです。
ディスプレイ厚みが、
3年前のX5000の12.1cm→HX80Rでは8.6cmなのです。
次に、映像全体をブロック単位に分けてLED発光を
コントロールする部分駆動のメリットですが、
こんな感じでしょうか?
*シーンに応じて不要な発光を抑えることで、高コントラスト比を実現
*明暗のバランスを最適な状態にし、暗いシーンでの奥行き感やディテールを美しく再現
*消費電力も抑制されて経済的
これまで部分駆動を採用してきたのは「直下型方式」ばかり、
BRAVIAならXR1やHX900、他社でも最上級モデルだけでした。
昨年くらいまで「エッジライト方式」で部分駆動を
行なうのは困難、とされてきたのです。
ところが技術の進歩はすごいのです。今年あたりから、
「エッジライト方式」でも、部分駆動を実現しているモデルが登場です。
それがBRAVIAでは、HX800とHX80Rなのです。
(あとは3D対応の最新REGZA ZG1やXE2くらいしか、我が家では思いつきません)
我が家では、よくカタログに掲載されているような画質機能は、
実はそれほど当てにしていないというか、いつも話半分、
そんなものかなあと思っている感じです。
でもこの「部分駆動」は、実際に効果的だと体感できます♪
HX80Rでの画質調整メニューで、確認してみましょう。
詳細設定の奥、ここにありました。
3段階で調整が可能です。
切:
弱:
標準:
写真ではなかなか違いがわかりにくいのですが、
実際の映像では、黒の沈み方の違いが、
素人目にもはっきり感じ取れます。
「切」と、それ以外の違いが特に顕著です。
「弱」と「標準」はさほど違いがわかりませんでした。
ちなみになぜか上位モデルのLX900には、部分駆動が採用されていません。
シャープUV2Aパネルのコントラスト性能などのポテンシャルが元々高いことや、
厳しいコスト面での制約などの判断かもしれないですね。
3 グレア(光沢/クリア)パネル
KDL-46X5000ではノングレア(光沢なし)パネルでしたが、
最近はソニーだけでなく、他社もグレア(光沢/クリア)パネルにすっかり方針転換です。
画質面を一般論から言えば、もちろんグレアパネルのほうがキレイです。
2009年のREGZAレビューからの抜粋ですが、
興味のある方はこちらでその詳細もどうぞ。
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~画質面でいえば、圧倒的にクリアパネルの方が優位だ。 その理由は、画素からの出力光の経路を考えれば明白。そう、液晶(画素)層から通ってきた出力光(≒出力色)がピュアな形でダイレクトに視聴者の目に届けられるためだ。また、暗色や暗部階調表現も出力光の損失が少なく目に届くため、視覚として得られる情報量のダイナミックレンジも必然的に大きくなる。
一方、ノングレアパネルの液晶層からの出力光は、ノングレアのスクリーン層を通ったときに若干、拡散してしまう。拡散反射とは全方位に光を散乱させるので画素描写をぼやけさせてしまい、出力光そのもののエネルギーが目に届く前に減退してしまう。画素描写をぼやければ、1ピクセル1ピクセルがぼけて解像感が低下する。また、出力光が拡散して減退してしまえば、コントラスト感の低下につながる。
これまで、多くの液晶テレビが、なぜ慣例的にノングレアパネルを使っていたかというと、やはり、周囲の映り込みを気にしてのことだろう。そして今回のREGZAであえてクリアパネルを搭載してきたのは、ここ数年で、そうした点よりも、液晶テレビにも絶対的な高画質表現こそが求められるようになってきたためだ。
プラズマテレビは表示面がガラスなので、最初からいわばクリアパネルだったわけで、これをとやかく言う人はいなかった。その意味では、液晶テレビが「画一的にノングレアパネルだけだった」ということの方が異常事態だったといえなくなもない。ちなみに、最近のノートPC製品で、高画質映像表示を謳うAV機能特化モデルは皆クリアパネル採用機になっている。他社製品でも、高画質を謳うモデルは徐々にクリアパネル採用機が増えてくるかもしれない。 ~
http://av.watch,impress.co.jp/docs/serie/dg/20090625_295741.html
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現行ラインアップのBRAVIAでは
光沢パネルは2種類あります。
HX900とLX900の「オプティコントラストパネル」
そしてHX800、HX80Rの「クリアブラックパネル」です。
上級モデルの「オプティコントラストパネル」のほうが、
全面が一枚ガラス状?で、デザイン的には洗練されています。
液晶パネルと前面ガラス板の間の新開発樹脂の挟み込みが、
画質的にもやっぱりプラスなのでしょう。
でも、HX80Rの「クリアブラックパネル」も、
グレアかノングレアか、で言えばグレアパネルです。
映像がダイレクトに届く高画質な表示、
という本質部分では全く同じなのです。
少し余談ですが、HX80Rの狭フレームデザイン、
少し前のBRAVIAの狭フレームモデルのF1やF5シリーズと
デザインテイストがよく似ているのかなあと思っていましたが、、、
実際に見てみると、その印象は大きく違います。
BRAVIAF1やF5シリーズでは画面がノングレアでしたが、
HX80Rではフレームも画面もグレア(光沢)のため、
全体的にピカピカブラック、モダンな印象なのです♪
ただしグレア(光沢/クリア)パネルの弱点として、映りこみは激しいです。
ソニーのカタログ上では、映り込み防止に効果あり?と思えるような記述もありますが、
これまでのX5000と比較してしまうと正直なところ、
我が家ではすっごい映り込み、としか思えません。
これはそんな映りこみの例。
スイーベルしてキッチン側の縦窓からの昼光が
入り込む角度で、意識的に撮影してみました。
ちなみに我が家は夜になると、プチホームシアター用の照明を使います。
カーテンを閉めて、スポットライトにすると、
何のストレスもなく、キレイな画面に没頭できます。
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まとめ
さてこれまで、以下の3点を我が家が思う
HX80Rのキレイ画質のポイントしてご紹介してきました。
*サムスンの新VAパネル
*LEDエッジライトでも部分駆動
*グレアのクリアブラックパネル
ちなみに映像処理技術「ブラビアエンジン3」と
「CREAS 3」の組み合わせも大きく影響しているのかもしれませんが、
それぞれの役割分担がいまひとつわからないこともあり、
今回は触れずにパネル系の3ポイントに絞っています。
こういうスペック系の話になると、たとえば以下のように
最上位のスペックのほうがいい、なんて話になりがちですが。。。
UV2A > サムスンの新VAパネル
直下型の部分駆動 > エッジ型の部分駆動
オプティコントラストパネル > クリアブラックパネル
たとえ最上位のスペックでなくても、
念入りなチューニングや技術者の方の思い入れなのか?
それともただの偶然による幸運なのか?
とにかく全てがとてもいい方向、たぶん最高にいい形でまとまった結果、
BRAVIAのラインアップの中では中の上くらいと目されるKDL-55HX80Rを、
ワンランク上の画質に引き上げたのでは?なんて風に感じている我が家です。
このHX80R、細かい操作面や仕様では正直なところ荒削りの部分も多々ありますが、
とにかくキレイな画面が強烈!ちょっぴり感激までしてしまった我が家です。
MUSICもとてもキレイ♪
MOVIEもとてもキレイ♪
SPORTSもとてもキレイ♪
というわけで、HX80Rの我が家の第一印象は最高の★★★★★
これから愛用していくのがとても楽しみなのでした。
ありがとう、ソニー!
そして、がんばれソニー!
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素晴らしいレポートでした。
とても参考になりました。過去の記事の引用もそう言えば、そんなのあったなーと思い、効果的ですね。
私も画質に関してはかなり満足しています。写り込みだけが想像以上でしたが^^;。しかし、ますます55型羨ましいです。
by taiseiko (2010-12-14 09:45)
>taiseiko さん、
お褒めいただき、嬉し恥ずかしいです。
コメント、ありがとうございました。
by sonyandvaiofan (2010-12-14 19:06)
毎度のことながら、分かりやすい説明記事ですね。
エコポイント半減前のちょうど良いタイミングでの購入もsonyandviaofanさんの研究の賜ですね。
そういう先見の目も見習いたいと思います♪
by たぁ (2010-12-15 21:30)
>たぁさん
嬉しいコメント、ありがとうございます♪
いえいえ、物欲に大きく流されてしまい、
本当に現在の我が家、火の車です。。。
by sonyandvaiofan (2010-12-16 06:48)
家族にもたもたしてるからエコポイントも下がったと言われ、
やっと決心、明日買う事に決めました。
何を買うか迷い、3時間ネットでさまよい、
このブログにたどり着きました。素晴らしい解説ですね。
さて46インチか、55インチか。物にあふれたリビングは
とりあえず12畳はあるが。。。悩む。
なぜ50位がないのだろう。
by ken (2010-12-29 23:50)
>Ken さん
3D視聴も重視されているようなら、
HX80Rなら55インチがお勧めです。
3Dでは奥行きが出る分、
体感的に画面が小さめになるような気がしています。
どのメーカーのどのサイズにしても、
新しいTVになるのはとても楽しみですよね。
コメントありがとうございました!
by sonyandvaiofan (2010-12-30 09:17)
結局46型にしました。
今まで21型のブラウン管の我が家にはちょっと刺激が
強すぎるかと。(^^;;)
でも今日買って今晩納品です。楽しみです。
個人的には4倍速に期待。
どうしても今までの液晶は店頭で見てちらつきの
酔いから買うのをためらっていた為。
これからも使う上でブログ参考にさせていただきます。
ありがとうございました。
by Ken (2010-12-30 19:40)
>Ken さん
ご購入おめでとうございます。
年内に届いて、なによりですね。
年始年末のTV番組で、
キレイな画質を堪能されることと思います。
コメント、ありがとうございました!
by sonyandvaiofan (2010-12-30 20:47)
ははじめまして。
ブログ拝見させていただきました。
素晴らしいですね。
私は今頃になってこのTVを購入しました。
明日到着です。
決め手はオールインワンと壁掛け出来る事です。
ど素人なオヤジでして、色々教えていただきたいと思います。
ご迷惑で無ければよろしくお願いいたします。
まず、画像や各種機能のオススメの設定を教えて下さい。
次に、音質を良くする為に将来アンプやスピーカーを設置したいと思います。
ただ、TVは壁掛けでスッキリさせたいオヤジですので困っております。
電源はTV裏の壁から取れます。
壁掛け、またはワイヤレスのスピーカー等あらましたら教えて下さい。
アンプはどうしようも無いでしょうか?
スピーカーに内臓されているものがあったりするのでしょうか?
色々お聞きして申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。
by ozawa (2012-02-08 12:42)
>ozawa さん、
BRAVIAのご購入、おめでとうございます♪
我が家の場合、BRAVIAの画質設定は別に
さわっていなくて、スタンダードで視聴しています。
壁掛け金具はアクセサリーででています。http://www.sony.jp/bravia/products/KDL-55HX80R/compatible.html
アンプは壁裏での配線が必要になり、
多くの場合でHDMIでの接続になると思います。
ソニーのホームシアターは以下でご確認いただけますが、
ウーファーだけはワイヤレススピーカーのラインアップはあっても、
全てをワイヤレスは確かなかったので、
お好みの設置にするのはちょっと難しいかなあと思います。
http://www.sony.jp/home-theater/lineup/index.html
以上、簡単ですがご参考になれば幸いです。
コメント、ありがとうございました。
by sonyandvaiofan (2012-02-09 07:52)